海に生きる人、陸に住む人③(石川県・能登半島)
このシリーズは3週間ぶりの更新です。「俺的いい湯ランキング2019」なんて企画を思いつきで始めちゃったせいで、随分間が開いてしまいました。
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霧に包まれる、令和初日の朝。私は半島中部の能都町中心部にある宇出津(うしつ)港にいました。
前日に港湾管理施設を訪れ、明日の水揚げの予定をリサーチしていたのです。
能登半島はその恵まれた立地から、漁業が盛んで水揚げ港も半島内に複数あります。遠洋漁業の基地も多いのですが、今回は能登のローカルを取材したいというわけでここ宇出津港に来ました。ここでは主に近海で取れた魚を水揚げしています。
ちょうど漁船が到着しました。
この籠には網に紛れてしまった商品にならない小魚や海藻が入っています。ここでも弱肉強食の「競り」が行われていました。
朝霞に包まれた港には船のエンジン音と水揚げの水しぶきの音、そしてカモメの鳴き声が響いています。加えて漁師さんの話し声。様々な音がこだまして、騒がしいはずなのですが私の心は妙に静かです。
しばらくすると、競りに集まってきた鮮魚店の方の電話の声が遠くから聞こえてきました。
いつもと何一つ変わらない、新時代の幕開けです。
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午前6時30分、競りが始まりました。
衛生上の理由から、関係者以外は場内に立ち入ることができませんが、市場は屋外にあるので私たちも取引を遠目に見学することができます。私たちの靴の裏は雑菌まみれなので、誤って場内に入らないようにしましょう。
世間は「空前の10連休」まっただなか。能登半島の小さな港町、ここ宇出津ではいつも通り、盛んに取引が行われ、軽トラックや冷蔵大型トラックが出入りしています。ここで仕入れられた魚は金沢や富山、ないし大阪や東京に運ばれていくのでしょう。
1時間弱で市場は終わりになりました。
私たちは宇出津を立って富山県に戻ります。能登半島は石川県に所属している通り、地理的、歴史的には金沢方面と結びつきが強いのですが、現代では富山県からのアクセスも容易です。東京、新潟方面から向かう場合は高岡方面から能越道を経由するのが便利でしょう。
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(続)