撮っとこハム三郎

趣くままに、ぱしゃぱしゃ。最近星にハマっています。

海に生きる人、陸に住む人④(富山県・砺波平野)

 令和元年初日、私は富山県西部の砺波平野にいました。

 砺波平野は、飛騨山脈から流れてくる庄川が作った富山県西部に広がる沖積平野です。上空から見ると美しい扇状地の形をしています。
そして私が大好きな撮影フィールドです。

f:id:photo-k:20190530114202j:plain

 平野のおおむね全体にわたって「散居」という独特な形態の田園風景が広がっています。
「散居」とは①耕作地(主に田んぼ)と②アズマダチという形式の屋敷、③カイニョとよばれる屋敷林の3点がセットとなり、それらが点々と広がっている町の形態。
スイスなどの西欧をはじめ、世界中に類似した景色がありますが、日本では数少なく、ここ砺波平野が国内最大です。

f:id:photo-k:20190530112644j:plain

 町の外れにある山の頂上から。散居村の造りがよく分かります。

 田植え直前の砺波平野の夕日はまさに絶景。2018年5月にこの景色を見て以降、砺波を撮りたいと思うようになりました。

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

f:id:photo-k:20190604220723j:plain

f:id:photo-k:20190604221024j:plain

f:id:photo-k:20190604221351j:plain

 5月の砺波は言葉なしで美しい。

 この地域ではお米や麦、野菜を育てていますが田んぼが多く、田植え前後のこの時期はリフレクションがそれはもう絶景です。

f:id:photo-k:20190529014951j:plain

 

写真展『愛』に出展します。

 日本学生写真祭写真展『愛』に作品を出展します。

 この展示では、東京・大阪・京都にある8つのギャラリーを同期間にジャックして、37大学に所属する写真部員138名が共同で「愛」をテーマに発表を行います。

 私の写真はニコンプラザ銀座にて2月10日~2月19日に展示されます。小さな愛の輝きを撮りました。
よろしければお出かけのついでにお立ち寄りください。

f:id:photo-k:20200205191755j:plain

f:id:photo-k:20200205191757j:plain

 

あけましておめでとうございます。

 2020年。あけましておめでとうございます。
今年は珍しく東京でお正月を迎えました。そういうわけで、通常ならば海か山にでも初日の出を撮りにいくものですが、今年は街での年越しをしてきました。

f:id:photo-k:20200101132627j:plain

f:id:photo-k:20200101132624j:plain

f:id:photo-k:20200101132625j:plain

 SHIBUYAのカウントダウンに私は初参戦で、交差点の通称通り、人がリアル・スクランブルされる地獄アツい年越しだと思っていました。ですから全身蛍光色のモビルスーツ防寒着に身を包み、いざという時は三脚で闘おうと思っていたのですが(何と)、それは一昔前の話のようです。

 今年はそもそもスクランブル交差点全体が歩行者天国になっており、コカコーラ社主催のステージイベントが行わていました。
テレビでおなじみの青信号で一斉に車道に飛び出して、サッカー日本代表のコールをするようなあの光景(私の偏見)は見られなくなっていました。ハロウィンよりも64倍くらい秩序がありましたよ。ゴミは各所に散らばっていて地獄みたいだったけど。コカコーラのペットが散らばってるのはすごい皮肉ですね。正月からこれを掃除する人(ボランティアさんと、コカコーラの社員さんかな‥?)を思うと泣けてきます。。

 

 私ですが、今年は子年にも関わらず、猪突猛進の精神で交差点にカメラ片手に突貫したところ、年が明けて3分後にレンズがマウントから落脱して、文字通りレンズが【折れ】ました。新年早々気が滅入ってしまったので、まだ街の興奮も冷めやらぬ1時過ぎに退散。本当は2時か3時くらいまで滞在して、カオスな渋谷を撮るのもいいかと思ったのですが、いまは帰ってよく寝たので心穏やかです。
(本当は保険に入ってたから穏やかなだけです。保険だいじ。)

 

 これで一年の厄を振り払ったので、あとは順風な365日が送れることでしょう。2月くらいに玄関先からレンズが生えてきてもおかしくはありません。

 2020年がみなさまと私にとって良い年となりますように!(説得力ゼロ)

おしらせ

 おはこんばんちは、小林です。

 前回の更新からなんと100日が経過しようとしています。

 いま執筆している原稿がいくつかあるので、来週~再来週にかけて数本投稿しようと思っています。このブログの更新を待ってる方は特にいないと思いますが、しばしお待ちを。。。

お知らせ:東上立合同写真展

 ご無沙汰しております。1ヶ月以上ぶりの更新です。
この間HDDのデータが消失したので、更新をする気が失せておりました。元データのRAWはバックアップから復旧できましたが、編集後のデータがなくなってしまいました。

 

 そんなことをしてるうちに、前回の富山の記録が未完のまま次の富山に行ってきました。

 まあ私が富山に通っているのは、1年後か2年後に何らかの形で「まとめ」にあたる作品を作ろうと思っているからであって、このブログは、個人的にはその補完と位置づけているので、未完のまま次の記事が始まったりしますが、大目に見てください。この未完の積み重ねが作品になるということで…

 

 さて、そんなわけで、今回はとある写真展の告知です。

f:id:photo-k:20190723151048j:plain

f:id:photo-k:20190723151053j:plain

この度、私が参加しているそふぃあにまるふぉとくらぶ(上智)、東京大学写真文化会、立教寫眞会の合同で、その名も「東上立合同写真展」をすることになりました。

私も3,4枚くらい出展しようと思っています。テーマは考え中です。
いまのとこ、
・数回通って撮りためた能登半島
・先月通った蛍
・この夏登るお山
あたりから自分で決めたテーマに沿って出す予定です。

・日時:9月29日(日)~10月6日(日)※10月3日(木)はお休み

・場所:東京都新宿区四谷4-20 四谷三丁目ランプ坂ギャラリーです。

お出かけのついでにでもお立ち寄りください。

海に生きる人、陸に住む人③(石川県・能登半島)

 このシリーズは3週間ぶりの更新です。「俺的いい湯ランキング2019」なんて企画を思いつきで始めちゃったせいで、随分間が開いてしまいました。

photo-k.hatenablog.jp

 

▼過去の記事はこちらから

photo-k.hatenablog.jp

photo-k.hatenablog.jp

------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 

f:id:photo-k:20190524115115j:plain

 霧に包まれる、令和初日の朝。私は半島中部の能都町中心部にある宇出津(うしつ)港にいました。

前日に港湾管理施設を訪れ、明日の水揚げの予定をリサーチしていたのです。

 能登半島はその恵まれた立地から、漁業が盛んで水揚げ港も半島内に複数あります。遠洋漁業の基地も多いのですが、今回は能登のローカルを取材したいというわけでここ宇出津港に来ました。ここでは主に近海で取れた魚を水揚げしています。

f:id:photo-k:20190524115246j:plain

 ちょうど漁船が到着しました。

f:id:photo-k:20190524115303j:plain

 この籠には網に紛れてしまった商品にならない小魚や海藻が入っています。ここでも弱肉強食の「競り」が行われていました。

f:id:photo-k:20190529002535j:plain

 朝霞に包まれた港には船のエンジン音と水揚げの水しぶきの音、そしてカモメの鳴き声が響いています。加えて漁師さんの話し声。様々な音がこだまして、騒がしいはずなのですが私の心は妙に静かです。
しばらくすると、競りに集まってきた鮮魚店の方の電話の声が遠くから聞こえてきました。

 いつもと何一つ変わらない、新時代の幕開けです。

f:id:photo-k:20190529004219j:plain

f:id:photo-k:20190529004255j:plain

f:id:photo-k:20190529004321j:plain

f:id:photo-k:20190529004401j:plain

f:id:photo-k:20190529004429j:plain

------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 

f:id:photo-k:20190529005043j:plain

 午前6時30分、競りが始まりました。

f:id:photo-k:20190529011448j:plain

 衛生上の理由から、関係者以外は場内に立ち入ることができませんが、市場は屋外にあるので私たちも取引を遠目に見学することができます。私たちの靴の裏は雑菌まみれなので、誤って場内に入らないようにしましょう。

f:id:photo-k:20190529011705j:plain

f:id:photo-k:20190529011724j:plain

 世間は「空前の10連休」まっただなか。能登半島の小さな港町、ここ宇出津ではいつも通り、盛んに取引が行われ、軽トラックや冷蔵大型トラックが出入りしています。ここで仕入れられた魚は金沢や富山、ないし大阪や東京に運ばれていくのでしょう。

f:id:photo-k:20190529012422j:plain

f:id:photo-k:20190529012401j:plain

f:id:photo-k:20190529004759j:plain

 

f:id:photo-k:20190529012602j:plain

 1時間弱で市場は終わりになりました。

 私たちは宇出津を立って富山県に戻ります。能登半島は石川県に所属している通り、地理的、歴史的には金沢方面と結びつきが強いのですが、現代では富山県からのアクセスも容易です。東京、新潟方面から向かう場合は高岡方面から能越道を経由するのが便利でしょう。

f:id:photo-k:20190529013834j:plain

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 次回は富山県呉西地区(高岡市砺波市南砺市)を巡ります。

f:id:photo-k:20190529014951j:plain

 

(続)

俺的いい湯ランキング2019【3位~1位】

 俺的いい湯ランキング、ついにベスト3を発表します。いまから紹介する上位3つはどれも個性的な劇エモ温泉です。近くを通りかかったら撮影なんか止めて湯に浸かったほうがいいぞ!(爆)

 

 4位以下はこちらをどうぞ

photo-k.hatenablog.jp

photo-k.hatenablog.jp

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

【第3位】酸ヶ湯温泉青森県青森市

 日本史好きならピンとくるかもしれません。そう、ここは明治のあの悲劇がおきた八甲田山山麓にあります。天は我々を見放したッ!

八甲田雪中行軍遭難事件 - Wikipedia


 この温泉はそんな寒く山深い地にあります。5月に行きましたが積雪が200cmを超えていました。日本屈指の豪雪地帯です。

 東京(立川)を前日の18時に発車、一晩ずっと高速を走ったらちょうど開店時刻くらいに着きました。くそ遠いな。

f:id:photo-k:20190521222635j:plain

5月だよ

 火山列島ニッポンには温泉が星の数ほどありますが、ここまで端的なネーミングはそうそうありません。その名は「酸ヶ湯」。す・か・ゆ!!!

 自ら「ミーはぁ、強酸性だにゃぁ」とアピールしているじゃないですか。だけど酸ヶ湯は自意識過剰なのではありません、本当に酸っぱいんです。ちなみにPHは1.9くらい。どれくらい酸性かというと、現像液に漬けていたフィルムの処理が止まるくらいです。停止液に使えるのか!!
※不純物が多いので使っちゃだめです。フィルムに硫黄の結晶が付くと思われます。たぶん。

 お湯は乳白色に白濁していて視認水深2cm(くらい)。成分は酸性・含二酸化炭素・鉄・硫黄-アルミニウム-硫酸・塩化物泉です。なんでもかんでも混ぜすぎだろ!八甲田山ありがとう、すっきっ♡
ここまでいろいろ入っていると泉質が貧しい東京地区の温泉に分けてあげたくなります(余計なお世話)。

 だけど、酸ヶ湯のある青森県、北東北は 卍温泉天国卍 で、秋田県玉川温泉のPH1.0という数字もあります。

f:id:photo-k:20190521223920j:plain

998人はいないと思う

 じゃあなぜ酸ヶ湯なのか。それは酸ヶ湯の温泉地としての魅力にあります。酸ヶ湯の浴場は築100年を超える明治時代の建築で、メインの浴槽は160畳の総ヒバ作り。浴場内はもはや体育館ですが、柱が全くないことに驚きます。浴場にはお湯から発生しているガスの臭いが漂っていて、私にはご褒美なのですが、常に発生している割には臭いがきつくありません。見れば天井付近が開放になっていて換気ができるようになっているんですね。なんという技術、これは日本のテルマエ・ロマエですよ。

 「千人風呂」の名の通り巨大な浴場は男女混浴、浴槽の真ん中に印が打ってあり、その線を越えて男女は行き来してはいけないルールになっています。過去にはマナー違反が多かったために仕切りができてしまったこともあるようですが、地元の自主管理の努力が実って現在は撤去されています。利用客の私たちも気をつけないとね。

 あ、もちろんここも入浴後は30時間くらい体から硫黄臭が離れなくなるので、デート前とかに入ると「温泉通なのね、すてき♡」ってなっていいと思いますよ。

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

【第2位】雌阿寒温泉(北海道足寄郡足寄町

 阿寒摩周国定公園にある温泉。アイヌ語オンネトー温泉ともいいます。

 ここはすごい。まず立地。国定公園とあって原生林の中にあって、エモい。

 到着して車を降りると卵が腐ったような臭いが鼻をつきます。火山ガスが出ているのです。ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォィ!!!みなぎってきた。

f:id:photo-k:20190521232055j:plain

温泉の横にはフキの群生が

 フロントには猫が3匹くらいいます。かわいい。入湯料を支払い、にやにやしながらお湯に浸かってみます。成分こそ弱酸性で際立って特徴的ではないものの、透明なそのお湯の中にはふわふわと糸くずのようなものが浮遊しています。なんだこれは!?ボウフラか?
 すくってみると、それはボウフラではありません、指で潰すとどろどろに溶けて消えてしまい、、これは、、、湯の花(温泉成分の結晶)だ!ニャオーーーーーン!!やったぜ!

 今回は「野中温泉ユースホステル」さんの日帰り入浴を利用させていただきました。雌阿寒温泉には3軒の入浴施設があるようですが、2014年にそのうちの1箇所で火山ガス中毒が発生。温泉に浸かっていた1名が死亡し、その温泉施設は自主休業に追い込まれてしまったようです。※野中温泉ユースホステルではありません。

 温泉に入るたび、私たちは地球を感じることができるのですが、地球の恵みは時に恐ろしいものと姿を変えます。私がエモい、すこ♡、卍!とか言ってる硫黄やらアルミニウムやら強酸やらも、どうみても毒なのです。日本に住む私たちは大地の安心感に包まれて生き、同時に恐怖と背中を合わせて生きているようです。それでもやっぱり私は温泉に入ります。

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 いよいよ【第1位】の発表です。自分で始めといてなんだけど、ここまで長かったぁ~。来年ランキング作るなら5位までにしようかな。

というわけで、

【第1位】長湯温泉(大分県竹田市

 「俺的いい湯ランキング2019」のグランプリは大分県竹田市、長湯温泉。イィェェェェェェェェェェィ!

 炭酸水素塩泉・二酸化炭素泉です。最強。要はお湯にCO2が溶けている、炭酸水のお湯。西友で70円くらいで売ってるあの炭酸水です。炭酸泉というだけで結構珍しいのですが、この温泉が特別凄いのはそこではありません。
常温でぬるくなったコーラを想像すれば分かりますが、普通は水の温度がぬるくなると炭酸ガスは抜けてしまいます。だがしかし、この長湯温泉は源泉温度が最も低い場所でなんと26度。炭酸ガスがしゅわしゅわのまま残るのです。最強of最強。

アサヒ 三ツ矢梅 500ml×24本

アサヒ 三ツ矢梅 500ml×24本

 

ちなみにぃー、ミーはぁ、これが好きだにゃぁ

 温泉街の中心にあるそのお湯は無色透明で30度前後、はっきりいってぬるすぎます。とても体を温めるとかいうものではない。だけど入ってみるとびっくり、体中に気泡が付きます。5分も入っていれば体中びっしり気泡まみれです。

 さらに上がってみればこれまた不思議。体が芯から温まっているのです。体内から発熱している感じ。
これはお湯の中に含まれている高濃度の炭酸ガスが、皮膚の内側に吸収されて毛細血管が拡張するため。血量が増えて体温が爆上がりするのです。

 日帰り入浴される方はこちら(👇)がオヌヌメ。名前まんまの高濃度炭酸泉。そしてこの温泉のイメージキャラが超かわいい。ゆっポくんくらい好き。私はTシャツもってます。

www.lamune-onsen.co.jp

yuppokun.com

 

 温泉地の雰囲気もエモい。川べりに数軒の温泉宿が建ち並ぶなかに「ガニ湯」と呼ばれる、、、野天風呂があります。野天!!!ぽにょ、野湯、すき♡

www.google.co.jp

 

 脱衣所は一応あるけど、道路から見えるので実質ありません!その辺で脱いで入ってください。お湯は濃い褐色で夏冬問わず入れます。言わずもがな男女混浴。ただし、冬はヘドロが浮いているよ♡
夏には満点の星空が広がって、プラネタリウムを風呂に入りながら見ているようなもの。ついでに星が綺麗で感動する我らを、アブがごちそうタイムと全裸待機している。

 数年前に入った際に、地元のおじちゃんと2人になったのですが、飛び交うアブをおじちゃんが湯船に浸かりながら手のひらで捕まえて、お湯の中にぼちゃぼちゃと沈めていくじゃないですか。そして水死したアブをぺっぺと捨てていきます。
感動を超えて絶句しました。

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 さてさて、ようやくランキングが完結しました。お付き合いいただきありがとうございます。

 気になるところがあればぜひ行ってみてください。温泉に行くこと、それは即ち地域を知る手がかりです。

あとせっかくこの記事を読みに来てくれたみなさんは、ぜひ、私の本業の記事も見ていってください。

 

photo-k.hatenablog.jp

 

 

photo-k.hatenablog.jp

じゃあーーのぉぉーーー!!!

 

(完)